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2026.11.05
北海道大学には、一般選抜とは別に「フロンティア入試」という入学者選抜制度がある。
いわゆる総合型選抜に当たり、2027年度には423人が志願した。
ところが、学科・コース別に見ると、志願倍率が10倍を超える募集単位もあれば、募集人員に志願者が届かないところもある。
第1次選考でも、志願者全員が通過した学科がある一方、8割以上が不合格となった学部もあった。
今回は、2027年度の志願状況と第1次選考結果をもとに、フロンティア入試の競争状況を検証する。
※本記事は2026年10月までに公表された2027年度入試の情報をもとに作成している。募集人員や選考方法は年度によって変更される。
北大のフロンティア入試は、TypeⅠとTypeⅡに分かれている。
| TypeⅠ | TypeⅡ | |
|---|---|---|
| 2027年度募集人員 | 74人 | 63人 |
| 主な選考内容 | 書類・課題論文・面接等 | 書類・適性試験・面接等 |
| 共通テスト | 必要 | 不要 |
| 最終合格発表 | 2027年2月9日 | 2026年12月8日 |
いずれも書類による第1次選考があり、通過者が第2次選考へ進む。
TypeⅠでは、その後さらに共通テストの成績などを踏まえて最終合格者を決定する。TypeⅡでは共通テストを利用しない。
出願資格や具体的な選考方法は、学科・コースごとに定められている。
北海道大学・2027年度フロンティア入試学生募集要項(PDF)
2027年度の志願状況は、次のとおりである。
| 区分 | 募集人員 | 志願者数 | 志願倍率 |
|---|---|---|---|
| TypeⅠ | 74人 | 217人 | 2.9倍 |
| TypeⅡ | 63人 | 206人 | 3.3倍 |
| 合計 | 137人 | 423人 | 3.1倍 |
2026年度の317人から106人、約33%増加した。
2027年度は獣医学部TypeⅠの新設など、募集構成にも変更がある。そのため、志願者数の増加を既存学科の人気上昇だけで説明することはできない。
主な募集単位の志願状況を見てみよう。
| 学科・コース | 募集 | 志願 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 獣医学部(Ⅰ) | 5 | 65 | 13.0倍 |
| 医学部医学科(Ⅰ) | 5 | 24 | 4.8倍 |
| 医学部検査技術科学専攻(Ⅰ) | 5 | 4 | 0.8倍 |
| 工学部応用マテリアル工学コース(Ⅰ) | 4 | 4 | 1.0倍 |
| 理学部物理学科(Ⅱ) | 11 | 27 | 2.5倍 |
| 工学部機械知能工学科(Ⅱ) | 5 | 32 | 6.4倍 |
最も倍率が高いのは、新設された獣医学部TypeⅠである。
一方、医学部検査技術科学専攻は募集5人に対し志願4人、工学部応用マテリアル工学コースは募集4人に対し志願4人だった。
同じフロンティア入試でも、出願時点の競争状況には大きな差がある。
北大は2026年10月27日に第1次選考結果を公表した。
志願者423人のうち、通過したのは297人。全体の通過率は70.2%だった。
| 区分 | 志願者数 | 通過者数 | 通過率 |
|---|---|---|---|
| TypeⅠ | 217 | 121 | 55.8% |
| TypeⅡ | 206 | 176 | 85.4% |
| 合計 | 423 | 297 | 70.2% |
※通過者数は北大が公表した合格者受験番号一覧を集計したもの。通過率は志願者数を分母として算出した。
TypeⅠでは約44%が第1次選考で不合格となったのに対し、TypeⅡでは約85%が通過している。
学科別に見ると、この違いはさらに鮮明になる。
| 学部・学科等 | 志願 | 通過 | 通過率 |
|---|---|---|---|
| 理・地球惑星科学 | 17 | 10 | 58.8% |
| 医・医学科 | 24 | 17 | 70.8% |
| 医・看護学 | 16 | 6 | 37.5% |
| 医・放射線技術科学 | 9 | 6 | 66.7% |
| 医・検査技術科学 | 4 | 4 | 100% |
| 医・理学療法学 | 13 | 8 | 61.5% |
| 医・作業療法学 | 3 | 3 | 100% |
| 歯学部 | 5 | 5 | 100% |
| 工・応用マテリアル | 4 | 4 | 100% |
| 工・社会基盤 | 7 | 6 | 85.7% |
| 獣医学部 | 65 | 10 | 15.4% |
| 水産学部 | 50 | 42 | 84.0% |
| 合計 | 217 | 121 | 55.8% |
最も大きな絞り込みが行われたのは、獣医学部TypeⅠである。
募集5人に対して65人が志願し、第1次選考を通過したのは10人。通過率は15.4%だった。
獣医学部は今回が新設初年度であり、前年との直接比較はできない。
一方、医学部検査技術科学専攻、作業療法学専攻、歯学部、工学部応用マテリアル工学コースでは、志願者全員が通過している。
TypeⅠの第1次選考は、学科によって絞り込みの程度が大きく異なっていた。
| 学部・学科等 | 志願 | 通過 | 通過率 |
|---|---|---|---|
| 理・数学科 | 44 | 44 | 100% |
| 理・物理学科 | 27 | 27 | 100% |
| 理・化学科 | 29 | 29 | 100% |
| 理・高分子機能学 | 4 | 4 | 100% |
| 工・応用物理工学 | 46 | 34 | 73.9% |
| 工・機械知能工学 | 32 | 15 | 46.9% |
| 工・環境工学 | 24 | 23 | 95.8% |
| 合計 | 206 | 176 | 85.4% |
TypeⅡでは、理学部の4募集単位すべてで志願者全員が通過した。
これに対し、工学部機械知能工学科では32人の志願者から15人に絞られ、通過率は46.9%だった。
TypeⅡ全体では通過率が高いものの、工学部の一部では第1次選考の段階から厳しい競争が生じている。
2026年度は志願者317人に対し、第1次選考通過者284人、通過率89.6%だった。
2027年度は70.2%となり、前年度より19.4ポイント低下している。
もっとも、2027年度には獣医学部TypeⅠが新設された影響がある。
獣医学部の志願者65人、通過者10人を除いて計算すると、2027年度の通過率は287人÷358人=80.2%となる。
この場合も前年度を下回るが、募集単位や志願者構成が異なるため、選考基準そのものが厳格化されたとまでは判断できない。
2027年度の結果で特徴的なのは、学科によって第1次選考の役割が大きく異なることである。
獣医学部のように、志願者の大半を第1次選考で絞り込む募集単位がある。
一方、TypeⅡの理学部のように、志願者全員を第2次選考へ進ませる募集単位もある。
しかし、第1次選考はあくまで途中段階である。
その後には課題論文、適性試験、面接などが課される。TypeⅠでは、共通テストの成績などを踏まえた最終判定も待っている。
第1次選考での競争状況と、最終合格までの難しさは分けて考える必要がある。
では、実際に北大のフロンティア入試では、募集人員に対して何人が最終合格しているのだろうか。
次回は、2022~2026年度の5年間について、Type別・学科別の最終合格者数を比較する。その結果から、フロンティア入試が本当に「狙い目」なのかを検証したい。
進学教室FiveSchools
2018年に札幌に設立され、小学5年から高校3年まで5教科指導を行う総合進学塾。教科別「クラス授業」、通い放題「FIVE学習会」、1on1「個別指導」を指導の3本柱に常に高い実績を生み出し続ける。北海道の塾ながら、Webを通じて本州、九州、四国、時に海外まで広く塾生を抱えることも特徴。
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