NANAIRO DAYS
2026.11.04
中学校の部活動では、2031年度までに休日の活動を原則として地域クラブへ移すという国の方針が示されている。
では、高校の部活動も同じように変わるのだろうか。
結論から言えば、高校には中学校と同じ地域展開の期限は設けられていない。
しかし、現在の部活動が今後も同じ形で続くという意味ではない。
北海道では高校の部活動数が減少し、2026年度からは活動時間や休養日の方針も改定された。外部指導者の活用や部活動の統廃合など、運営体制の見直しも進められている。
国と北海道教育委員会の公表資料をもとに、高校の部活動が今後どう変わるのかを整理する。
高校には、中学校と同じ一律の地域展開目標は設けられていない。
国が2025年12月に策定した「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」は、公立中学校等を地域展開の主な対象としている。
高校については、中学校よりも学校ごとの教育方針や活動内容が多様であることを踏まえ、学校や地域の実情に応じて必要な取組を進めることが望ましいとされている。
2031年度までに休日の学校部活動を原則すべて地域展開するという目標が、高校にも一律に適用されるわけではない。
一方、適切な指導、休養日、活動時間、安全管理などに関するガイドラインの規定は、国公私立の高校も対象となる。
また、国は高校の学習指導要領上の部活動の取扱いについて、今後スポーツ庁・文化庁で検討し、中央教育審議会に報告する方針も示している。
つまり、高校の部活動改革は、中学校とは異なる方法で進められており、制度上の位置づけについても検討が続いている。
スポーツ庁・文化庁「部活動改革及び地域クラブ活動の推進等に関する総合的なガイドライン」(PDF)
北海道教育委員会の2025年度調査によると、札幌市立学校を除く道内公立高校(全日制)の部活動数は3,257部だった。
過去5年間の推移は、次のとおりである。
| 年度 | 部活動数 |
|---|---|
| 2021年度 | 3,748部 |
| 2022年度 | 3,609部 |
| 2023年度 | 3,473部 |
| 2024年度 | 3,435部 |
| 2025年度 | 3,257部 |
4年間で491部減少している。
この調査には札幌市内の道立高校は含まれるが、札幌市立高校と私立高校は含まれない。
一方、2025年度の部活動加入率は73.7%、加入生徒数は50,462人だった。内訳は運動部30,279人、文化部20,183人となっている。
部活動数は減少しているものの、依然として多くの高校生が参加していることが分かる。
減少の背景には少子化のほか、学校再編や部活動の統廃合など、複数の要因が考えられる。
北海道教育委員会・部活動の現状について(2026年8月28日会議資料・PDF)
北海道教育委員会は2026年3月に「道立学校に係る部活動の方針」を改定し、4月から適用している。
基本的な基準は、次のとおりである。
| 項目 | 基本的な基準 |
|---|---|
| 休養日 | 週2日以上 |
| 平日の活動時間 | 2時間程度 |
| 休日の活動時間 | 3時間程度 |
| 週当たりの活動時間 | 11時間程度 |
ただし、高校では、所定の要件を満たす部活動について弾力的な設定が認められる。
| 項目 | 弾力的な設定 |
|---|---|
| 休養日 | 週1日以上に加え、月1日以上と学校閉庁日 |
| 平日の活動時間 | 3時間程度 |
| 休日の活動時間 | 4時間程度 |
| 週当たりの活動時間 | 16時間程度 |
弾力的な設定には、校長からの申出があり、道教委が別に定める要件を満たす必要がある。
また、これは道立学校の方針であり、札幌市立高校や私立高校にもすべて同じ基準が適用されるという意味ではない。
なお、道教委の方針では、学校の部活動と地域クラブ活動の両方に参加する場合などは、活動時間を通算して考えることも求められている。
学校外での活動を組み合わせる場合にも、休養時間を十分に確保することが重要になる。
北海道教育委員会・道立学校に係る部活動の方針(2026年3月改正・PDF)
高校では、今後も学校が運営主体となり、教員が顧問を務める部活動が多く残ると考えられる。
一方、北海道教育委員会の方針では、部活動指導員や外部指導者を活用し、教員の負担を軽減することが求められている。
部活動指導員は、実技指導に加え、大会への引率や活動の管理運営なども担うことができる。
札幌市立高校でも、2025年度から部活動特別外部指導者の配置が始まった。
同年5月19日付の『北海道通信』によると、市立高校7校に配置できる予算が措置されている。ただし、7校すべてに配置されたという意味ではない。
北海道通信・札幌市立高校への部活動特別外部指導者の配置(2025年5月19日)
もっとも、外部指導者を確保できるかどうかは、学校の所在地や競技によって異なる。
また、実技指導を外部に任せても、活動計画の調整や保護者対応、大会参加に関する業務などが学校に残る場合もある。
高校では、部活動を地域へ移すことよりも、教員が担ってきた業務をどのように分担するかが、当面の改革の中心になると考えられる。
ある。
北海道教育委員会の2026年3月改正方針では、生徒数や教員数、指導者の配置状況などを踏まえ、適正な数の部活動を設置することが求められている。
具体的には、学校の実情に応じて、次のような方法も検討対象としている。
いずれもすべての高校に導入を求めるものではなく、学校の実情に応じた選択肢である。
また、部活動の設置や統廃合に当たっては、生徒や保護者の理解を得ながら、長期的な見通しをもって進めることも求められている。
高校の部活動は、地域展開によってだけ変わるのではない。学校内での統廃合や、複数校による合同活動なども、今後の重要な変化となり得る。
北海道教育委員会・道立学校に係る部活動の方針(本文3・10ページ)
部活動を重視して高校を選ぶ場合、希望する部が現在設置されているか、大会でどのような実績を残しているかだけでは十分ではない。
特に、次の点を確認しておきたい。
特に、部員数の少ない部活動や学校再編が予定されている高校では、入学後も同じ条件で活動できるとは限らない。
また、道立高校では各学校が部活動の活動方針を策定し、公表することになっているため、学校説明会だけでなく、公式サイトでも確認できる。
高校には、中学校と同じ地域展開の期限は設けられていない。
しかし、北海道では部活動数が減少し、休養日や活動時間の基準も見直されている。
今後は、学校が部活動を運営する仕組みを基本としながら、外部指導者の活用、部活動の統廃合、複数校による合同活動などが進むと考えられる。
特に北海道では、地域によって高校数や指導者の確保状況が大きく異なるため、すべての学校が同じ方法で部活動を維持することは難しいだろう。
一方、部活動を学校の特色として充実させたいという考え方と、教員の負担を軽減する必要性をどう両立させるかという課題も残る。
高校の部活動は、2031年度までに一斉になくなるわけではない。しかし、今ある部活動が今後も同じ形で続くとは限らない。
地域展開という言葉だけでなく、外部指導者の配置や部活動の統廃合、活動時間の見直しなど、各高校で進む具体的な変化に注目していきたい。
進学教室FiveSchools
2018年に札幌に設立され、小学5年から高校3年まで5教科指導を行う総合進学塾。教科別「クラス授業」、通い放題「FIVE学習会」、1on1「個別指導」を指導の3本柱に常に高い実績を生み出し続ける。北海道の塾ながら、Webを通じて本州、九州、四国、時に海外まで広く塾生を抱えることも特徴。
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