NANAIRO DAYS
2026.10.18
問1、問2
なかなかいいところを突いてきます。
こんなの普通書けない、というほど難しくなく、とはいえ4問全部当てられる人は実はそこまで多くないだろう、というレベル感。
出典:兼好法師「徒然草」
鎌倉時代末期から南北朝時代にかけて活躍した歌人・随筆家。本名は卜部兼好(うらべのかねよし)といい、吉田兼好とも呼ばれる。朝廷に仕えた経験を持ち、のちに出家して僧となった。
兼好法師の代表作である『徒然草』は、鎌倉時代末期に成立したとされる随筆。序段と243の段からなり、日常生活で見聞きした出来事や、人間の生き方、自然、芸術などについて、作者の考えが自由な形式でつづられている。特に、すべてのものは絶えず移り変わり、永遠には続かないという「無常観」が、作品全体に通じる重要な思想となっている。清少納言の『枕草子』(平安時代)、鴨長明の『方丈記』(鎌倉時代)とともに、日本三大随筆の一つに数えられる。
問2
②にはウ以外入りようがないので、②を間違えた人は完全にストーリーを誤解しているか、まったく理解できていないかのどちらかだと思います。
ただ、①にアを入れた人の気持ちはとてもよくわかるんですよ。
「ある人」が「思し出づる所」から出てきて、作者だけがその家をのぞき見している状況は本来不自然で、一緒に月見をしている間柄なわけですから、「ある人」と作者が一緒になって家をのぞき見していると考えても決しておかしくない。
ただ、今回の選択肢は「ある人」か作者どちらかを選ばないといけないわけですから、その後作者の感想が続くようにするためには、ここで作者がのぞき見していたことにしないと整合性がなくなるわけです。
(「ある人」がこのときじゃあ何をしていたのか? という疑問は残りますが……)
あと、「しばし見ゐたる」のところに尊敬語が使われていないことも、答えがイであることを強く示唆します。
とはいえ、敬語をもとに古文を読解するのは普通高校受験で求められるレベルを超えているので、問題としてどうなのかなぁ……と。
本文からの情報だけで中学生が明確に答えを出せない設問のように感じます。
問3
「事ざまの優におぼえて」の部分から、「思し出づる所」に住んでいる人が「いかに優雅で趣深いのか」を説明すればよいことがわかります。というか、それをイメージできたかどうかが全て。
これはかなり差がつく問題だと思います。
満点でクリア―できる人はかなり少ないはず。
出典:いとうみく「真実の口」
神奈川県生まれ。『糸子の体重計』(童心社)で日本児童文学者協会新人賞、『朔と新』(講談社)で野間児童文芸賞、『きみひろくん』(くもん出版)でひろすけ童話賞、『あしたの幸福』(理論社)で河合隼雄物語賞、『ぼくんちのねこのはなし』(くもん出版)で坪田譲治文学賞を受賞。『二日月』(そうえん社)、『チキン!』(文研出版)、『天使のにもつ』(童心社)などが青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれた。他の著書に、『かあちゃん取扱説明書』(童心社)、「車夫」シリーズ(小峰書店)、『夜空にひらく』(アリス館)などがある。全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。
中3の冬、受験を控えた青山湊(あおやま・みなと)、七海未央(ななみ・みお)、周東律希(すとう・りつき)の三人は、
祠の前にしゃがんでいる小さな女の子を見つけた。雪はやんだようだが、気温は下がっている。何もしゃべらず、動こうとしない少女を放っておけば、凍死してしまうかもしれない。三人が下した判断は、この子を交番に連れて行くというものだった。それから四週間後、校長室に呼ばれた三人を迎えたのは、警察官たちだった。適切な判断と思いやりに感謝状が贈られたのだ――。
高校生になった年の夏、三人はファストフードで再会する。七海が「これ見て」と出したスマホの画面には、親による子どもの虐待事件のニュースが映し出された。もちろん、あのときの女の子とは別人のニュースだ。しかし、三人それぞれがあのときの女の子の様子に不審なものを感じていた。名前や住所を尋ねてもけっして口を開こうとしなかったこと、交番に連れて行こうとしたとき暴れて抵抗したこと……。「もしかして、わたしたちすごい誤解をしてたってことはないかな」。警察から感謝状を贈られた三人は、自分たちの行動が間違っていなかったかをたしかめるため、あのときの女の子を探し始める――。
こんなストーリーだったとは。
本文だけでは全然わからない。
問1
なかなか面白い切り口。
イ……この場面はただ職員室から出ていくときの挨拶で、謝罪する場面ではないということ。
大問2が相当難易度高い反面、この小説は素直な設問だらけで、ここでしっかりと点数稼ぎたいところ。
出典:長谷川眞理子「美しく残酷なヒトの本性」
進化生物学者。1952年、東京都生まれ。東京大学理学部卒業。同大学院理学系研究科博士課程修了。理学博士。専門は進化生物学、行動生態学。イェール大学准教授、早稲田大学教授、総合研究大学院大学教授・学長などを経て、2023年4月より日本芸術文化振興会理事長。著書に『生き物をめぐる4つの「なぜ」』(集英社新書)、『モノ申す人類学』『自然人類学者の目で見ると』(いずれも青土社)、『進化的人間考』(東京大学出版会)など多数。
10月道コンだけは、学テCと同範囲を出すことが前提となっているので、小説と評論が両方出る仕様になっています。なので通常の道コンよりも時間がタイトになりやすく、いつもだと最後まで解ききれる人でも今回は厳しかったかもしれません。
まず第1段落、主張はともかく「ロシアによるウクライナ侵攻に関する両国の人びとの感情」をこの具体例に用いるのは、一方的な侵略を「どっちもどっち」「民族間の感情対立」のように記述する態度であり、不適切な内容だと思います。
全体的にも主観と個人的見解がメインを占める内容で、評論というよりはエッセイ、随筆の類と考えたほうがいいように思います。(少なくともこの一節は)
学テを強く意識したであろう設問構成で、すべての問題がほぼ本文抜き出しだけで完結する問題。
大問3同様(時間のネックさえなければ)点の稼ぎやすい問題だとは思います。
ただし、本文内容、設問(設問は学テに合わせただけだろうが)ともに、テストとして良い問題だとはあまり思えません。
あと、問4は空欄の直前をちゃんと読んだでしょうか?
「ソーシャルメディアで触れる情報が」が直前にあるので、「情報が」が主語になるようにしないと減点対象。
偶然でしょうが、学テA英語と同じくfood driveがテーマ。
問2
「過剰除去」を書いた人は、そもそも「フードドライブ」が何かを把握していない。
大枠の意味はつかんでから細部を見ていかないと、根本的に勘違いした解答を作成してしまう。
問4
エは、佐藤さんが「ただ……」という接続詞を使っているので、形式上は「反論」している形に見えてしまうのが難しい。エをOKとすると、「前の人」つまり山上さんが間違っている、と言う意味になってしまう。山上さんの間違いを佐藤さんが指摘しているわけではない。
大問2がなかなかハードですが、大問3と4は問題としてはどちらも取り組みやすい。ただし評論&小説のダブル出題のため根本的に時間が相当タイトになるはずで、時間があれば取れたはずの問題を落とすケースも多発するはず。
つまり、人によって「何が原因で点を落としたのか」が大きく異なるはずなので、単に素点だけを見て良かった、悪かったと言ってもあまり意味はないと思います。
失点の根本原因を見つける作業が、いつも以上に重要な回だと感じます。
村上翔平
進学教室FiveSchools代表。函館生まれ、札幌育ち、北海道大学文学部卒。18歳より進学会(北大学力増進会)にて講師を務め、卒業後ENEOS(株)を経て、2011年より現在まで代々木ゼミナール講師。2012年から2016年まで赤門会日本語学校にて日本語教師としても活動。2018年札幌に「進学教室FiveSchools」を設立し、現在も日々教室で指導にあたる。著書「やさしい中学国語」「18歳までに知っておきたい言葉1750」など多数。
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