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北海道人の大学選び④ 中学校の先生になりたい

※本記事は2026年10月時点の情報をもとに作成している。教職課程、取得できる免許状、入試制度等は年度によって変更される場合がある。実際の出願・進学にあたっては、文部科学省および各大学・短期大学の最新の公式情報を確認してほしい。

「将来、中学校の先生になりたい」

そう考えたとき、進学先として真っ先に思い浮かぶのは教育大学かもしれない。しかし、中学校の先生を目指す道はそれだけではない。

国語なら文学部、数学なら理学部、社会なら法学部や経済学部など、専門分野を学びながら教員免許状を取得することもできる。

ただし、小学校とは異なり、中学校の教員免許状は教科ごとに分かれている。大学によって取得できる教科が異なるため、進学先選びには注意が必要だ。

今回は、北海道内で中学校教員を目指せる大学・短期大学と、それぞれの特徴を紹介する。

中学校の先生になるには

公立中学校の先生になるためには、原則として希望する教科の教員免許状を取得し、自治体などが実施する教員採用選考に合格する必要がある。

私立中学校の場合は、各学校法人などが独自に採用を行う。

中学校の普通免許状には、次の3種類がある。

免許状基本となる学歴
専修免許状大学院修士課程修了程度
一種免許状大学卒業程度
二種免許状短期大学卒業程度

二種免許状でも中学校教員になることは可能だが、教育職員免許法では、二種免許状を持つ現職教員に対して一種免許状の取得に努めることを求めている。

また、免許状には国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・保健・技術・家庭・英語などの教科区分がある。

大学を選ぶ際には、希望する教科に対応する教職課程があるかを確認する必要がある。

北海道で中学校教員を目指せる大学

北海道内で中学校教員を目指せる大学は、教科によって選択肢の多さが異なる。

社会や英語は教育大学以外にも幅広い選択肢がある一方、技術や家庭の免許状を取得できる大学は限られている。

以下は、北海道内の通学課程で中学校教諭一種免許状を取得できる大学の一覧である。

大学取得可能な教科
北海道教育大学 札幌校国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美術・保健体育・保健・技術・家庭
北海道教育大学 旭川校国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美術・保健体育・技術・家庭
北海道教育大学 釧路校国語・社会・数学・理科・英語・音楽・美術・保健体育・家庭
北海道教育大学 函館校国語・社会・数学・理科・英語
北海道教育大学 岩見沢校音楽・美術・保健体育
北海道大学国語・社会・数学・理科・英語・保健体育
小樽商科大学社会・英語
札幌大学国語・社会・英語・保健体育
札幌大谷大学社会・音楽・美術
札幌学院大学社会・英語
札幌国際大学保健体育
星槎道都大学社会・美術・保健体育
函館大学社会・英語
藤女子大学国語・社会・英語
北翔大学音楽・美術・保健体育
北星学園大学社会・英語
北海学園大学国語・社会・数学・理科・英語
北海道情報大学数学
北海道文教大学英語
酪農学園大学社会・理科
育英館大学数学

※大学・キャンパス全体で取得可能な教科を集約したもの。学部・学科・専攻によって取得可能な免許状は異なり、追加履修や教育実習に制限が設けられている場合もある。

文部科学省の2025年度教職課程認定一覧、2026年度追加認定および各大学の公式情報をもとに整理した。

→ 文部科学省・教員免許状を取得可能な大学等

北海道教育大学、5キャンパスの違い

北海道教育大学では、5つのキャンパスすべてで中学校教員を目指せる。ただし、その教育課程には大きな違いがある。

札幌校

学校教育、特別支援教育、言語・社会教育、理数教育、生活創造教育、芸術体育教育、養護教育の7専攻がある。

教科教育のほか、教育学・教育心理学・特別支援教育など、学校教育に関わる幅広い分野を専門的に学べることが特徴である。

旭川校

教育発達、国語教育、英語教育、社会科教育、数学教育、理科教育、生活・技術教育、芸術・保健体育教育の8専攻がある。

教科ごとの専門教育に重点を置き、教科内容と指導方法を深く学ぶことができる。

釧路校

地域学校教育実践専攻を設置し、教科教育と地域の学校現場を結びつけた実践的な学びを重視している。

2027年度入学者選抜からは、総合型選抜「北海道みらいの教員」養成枠も導入される。

以上の3校は教員養成課程であり、所属する教科教育分野などでは、小学校または中学校の一種免許状を卒業要件となる免許状として選択できる。

函館校

国際地域学科の地域協働専攻で、中学校の教員免許状を取得できる。

国際協働グループでは国語または英語、地域政策グループでは社会、地域環境科学グループでは数学または理科が対象となる。

ただし、いずれも追加履修が必要で、教職科目の履修には事前審査がある。小学校教員を養成する地域教育専攻とは異なる点にも注意したい。

岩見沢校

音楽文化、美術文化、スポーツ文化の3専攻で、それぞれ音楽・美術・保健体育の免許状を取得できる。

教員養成そのものを主目的とする課程ではなく、芸術・スポーツ分野の専門教育を受けながら教員を目指す点が特徴である。免許取得には追加履修が必要となる。

このように、同じ北海道教育大学でも、教員養成を中心に学ぶ札幌・旭川・釧路と、専門分野を学びながら教職課程を履修する函館・岩見沢では、大学生活の内容が異なる。

→ 北海道教育大学・取得できる教員免許状

北海道大学・小樽商科大学から教員を目指す

北海道大学では、教育学部だけでなく、文学部、法学部、経済学部、理学部などでも教員免許状を取得できる。

例えば、文学部では国語・社会・英語、教育学部では社会・保健体育、理学部では数学・理科などが対象となる。

北海道大学の教育学部は、北海道教育大学とは異なり、学校教員の養成を主目的とする学部ではない。教育そのものを研究対象とする学部であり、教員免許状の取得には所定の教職科目を履修する必要がある。

小樽商科大学では、商学や経済学などを専門的に学びながら、社会・英語の教員免許状を取得できる。

ただし、同大学は2028年度に商学部の改組を予定しており、2028年度入学者については教職課程を設置しない予定と公表している。2027年度以前の入学者は、入学時の教育課程に基づいて免許取得を目指せる。

→ 北海道大学教育学部・免許と資格

→ 小樽商科大学・教職課程

→ 小樽商科大学・2028年度改組に関するFAQ

私立大学から教員を目指す

道内の私立大学でも、専門分野と教職課程を組み合わせて学ぶことができる。

北海学園大学では、人文学部で国語・英語、経済学部や法学部で社会、工学部で数学・理科などの免許状を取得できる。

札幌大学では、日本語・日本文化、法学、歴史文化、英語、スポーツ文化など、所属専攻に応じた教員免許状を取得できる。

札幌学院大学では、人文学部・法学部・経済経営学部で社会、人文学部英語英米文学科で英語の免許状を取得できる。

藤女子大学では、文学部の日本語・日本文学科で国語、文化総合学科で社会、英語文化学科で英語の免許状を取得できる。

なお、家庭の免許状を取得できる地域創生学科は2027年度から学生募集を停止するため、進学先一覧には含めていない。

芸術・スポーツ分野では、札幌大谷大学の音楽・美術、星槎道都大学の美術・保健体育、北翔大学の音楽・美術・保健体育なども選択肢となる。

また、福祉を学びながら社会科教員を目指せる星槎道都大学社会福祉学科や、経営学部で保健体育の免許状を取得できる同大学経営学科のように、学部名からは教職課程の内容を想像しにくい場合もある。

このほか、函館大学では社会・英語、北海道文教大学では英語、札幌国際大学では保健体育、北海道情報大学と育英館大学では数学の免許状を取得できる。

酪農学園大学では、農学・食品・環境などを学びながら社会・理科の教員免許状を取得できる。ただし、入学年度と学類によって対象教科が異なる。

2026年度以降の入学生については、次のとおりである。

学類中学校の免許教科
循環農学類理科
農環境情報学類社会
食と健康学類社会・理科
環境共生学類理科

※食と健康学類の管理栄養士コースは対象外。

一般大学では、教職課程の履修に通常の卒業要件を超える単位や別途費用が必要になる場合もある。進学先を選ぶ際には、こうした条件も確認しておきたい。

→ 北海学園大学

→ 札幌大学

→ 札幌学院大学・教職課程

→ 藤女子大学・教職課程

→ 酪農学園大学・取得できる教員免許状

短期大学から中学校教員を目指す

中学校には二種免許状があるため、短期大学から教員を目指すこともできる。

北海道内では、次の短期大学に教職課程が設けられている。

短期大学・学科取得可能な教科
國學院大學北海道短期大学部 国文学科国語
國學院大學北海道短期大学部 総合教養学科英語
函館短期大学 食物栄養学科家庭

函館短期大学では、教職栄養コースで家庭の二種免許状や栄養教諭二種免許状などを取得できる。

また、短期大学卒業後に4年制大学へ編入し、一種免許状や高校の教員免許状を目指すことも可能である。ただし、取得条件や在学年数は編入先によって異なる。

→ 國學院大學北海道短期大学部

→ 函館短期大学

中学校と高校、両方の免許状を取得する

中学校教員を目指す場合、高校の教員免許状も取得できるか確認しておきたい。

例えば、中学校国語と高校国語、中学校数学と高校数学など、両方の免許状を取得できる大学は多い。

一方、中学校の社会に対応する高校の免許状は、地理歴史と公民に分かれている。

中学校と高校の免許状は別のものであり、両方を取得するには、それぞれ必要な単位を修得しなければならない。

教科によって異なる教員採用の倍率

中学校教員の採用選考では、教科によって倍率に差がある。

北海道教育委員会が公表した、2026年度採用の教科別出願倍率は次のとおりである。

教科出願者数登録者数出願倍率
社会186人73人2.5倍
保健体育183人84人2.2倍
理科69人36人1.9倍
音楽62人36人1.7倍
国語72人44人1.6倍
美術36人23人1.6倍
英語82人55人1.5倍
数学75人57人1.3倍
家庭17人14人1.2倍
技術9人8人1.1倍
合計791人430人1.8倍

※北海道採用希望分。札幌市採用希望分は含まない。出願倍率は出願者数を登録者数で割った数値であり、実際の受検倍率とは異なる。出願者数には追加選考・秋選考の出願者を含み、一般選考の併願者は希望区分ごとに重複計上している。

この年度は社会が最も高い2.5倍、技術が最も低い1.1倍となった。

ただし、倍率は年度によって大きく変化する。例えば、社会は2024年度5.5倍、2025年度4.3倍、2026年度2.5倍、保健体育は同じ期間に7.5倍から2.2倍へ低下している。

ある年度の倍率だけで、将来の採用難易度を判断することはできない。

→ 北海道教育委員会「令和9年度教員採用候補者選考検査実施要領」28ページ・過去の実施状況

複数の免許状を持つメリット

大学によっては、複数教科の中学校教諭免許状を取得できる場合がある。

北海道教育委員会の2027年度教員採用選考では、受検教科とは別に中学校の美術・技術・家庭の免許状を所有している場合、10点の加点対象となる。

また、特別支援学校教諭免許状や学校図書館司書教諭資格も、所定の条件で5点の加点対象となる。

ただし、加点対象となる受検区分や免許・資格には条件があり、すべての教科の組み合わせが加点されるわけではない。また、制度は採用年度・自治体によって異なる。

複数免許の取得には追加履修が必要になる場合があるため、履修負担と採用制度の両方を確認しておきたい。

→ 北海道教育委員会「令和9年度教員採用候補者選考検査実施要領」16ページ・複数免許等所有者に関する加点

大学ごとの教員就職実績

北海道教育大学では、2026年3月卒業者について、次の教員就職実績を公表している。

キャンパス教員就職者卒業者に占める割合
札幌校178人62.2%
旭川校189人71.3%
釧路校128人73.1%

※小学校・中学校・高校・特別支援学校などを含む。また、教員志望者だけを分母とした採用率ではない。

→ 北海道教育大学・就職に関するデータ

私立大学でも、教員採用実績を公表している大学がある。

札幌大学では、2026年度採用の公立中学校教員として、英語4人、国語1人、保健体育2人、社会1人の計8人の実績を公表している。

札幌学院大学では、同年度の採用選考で、現役4年生から中学校英語5人、社会1人の計6人が採用登録された。

→ 札幌大学

→ 札幌学院大学・教員採用実績

ただし、大学によって集計対象や指標が異なるため、これらの人数・割合を単純に比較して、教員になりやすい大学を判断することはできない。

免許状が取れる大学から、学びたい内容で選ぶ大学へ

同じ教科の教員免許状を取得できる大学でも、そこで学ぶ内容は大きく異なる。

例えば、国語教員を目指す場合、北海道教育大学旭川校では国語教育を専門的に学べる。一方、北海道大学文学部では、文学や言語学などを研究しながら教員免許状の取得を目指すことになる。

社会科教員であれば、教育大学で社会科の指導方法を学ぶ道もあれば、北海道大学法学部や小樽商科大学で法律・経済などを専門的に学ぶ道もある。

音楽や美術を教えたい場合には、北海道教育大学岩見沢校や札幌大谷大学など、芸術分野の専門教育に特色のある大学も選択肢となる。

まずは希望する教科の免許状を取得できる大学を探し、その中から、どのような専門性を身につけたいのかを考えて進学先を選びたい。

進学教室FiveSchools

2018年に札幌に設立され、小学5年から高校3年まで5教科指導を行う総合進学塾。教科別「クラス授業」、通い放題「FIVE学習会」、1on1「個別指導」を指導の3本柱に常に高い実績を生み出し続ける。北海道の塾ながら、Webを通じて本州、九州、四国、時に海外まで広く塾生を抱えることも特徴。

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