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2026.10.11
※本記事は2026年10月時点の情報に基づく。文部科学省が10月5日に公表した「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を中心に整理したものであり、紹介する変更案や実施時期は正式決定ではない。
2026年10月5日、文部科学省は「次期学習指導要領等に向けた審議まとめ」を公表した。
学習指導要領は、小中高校などで学ぶ内容や指導方針を定めるもので、おおむね10年ごとに改訂される。
今回の改訂案では、中学校の「情報・技術科」の新設、高校国語・数学・英語の科目再編、学習評価の見直し、授業時数や単位制度の柔軟化などが提案されている。
中学校では、現行の「技術・家庭科」を「情報・技術科」と「家庭科」に分ける案が示された。
「情報・技術科」は、「情報技術」と「情報を基盤とした生産技術」の2領域で構成する構想である。
AIの仕組み、データの管理・分析、情報の信頼性、情報デザインなどを扱い、ものづくりについてもデジタル化・自動化・システム化との関係を重視する。3Dプリンターやシミュレーターなどを活用した設計・製作も想定されている。
高校の情報科でも、AI、データ分析、プログラミングなどの学習を充実させる。
科目構成については、現行の必履修科目「情報Ⅰ」と選択科目「情報Ⅱ」を維持する方向が示された。
その上で、情報Ⅰでは情報デザイン、データ分析、アルゴリズムなどの学習を整理・充実させ、情報ⅡではAIやデータサイエンス、実社会の課題解決に関する学習を強化する。
情報Ⅱについては、学校の実情に応じて単位数を柔軟に設定できる仕組みも提案されている。
高校国語では、現行の「現代の国語」「言語文化」を、それぞれ「現代の国語Ⅰ」「言語文化Ⅰ」とする案が示された。
選択科目についても、現行の「論理国語」「文学国語」「国語表現」「古典探究」を再整理する。
| 区分 | 次期改訂案(仮称) |
|---|---|
| 必履修科目 | 現代の国語Ⅰ、言語文化Ⅰ |
| 標準的な選択科目 | 現代の国語Ⅱ、言語文化Ⅱ |
| 発展的な選択科目 | 論説と批評、対話と表現、文学と創作、古典と文化 |
新しい科目構成では、論説文の批評、対話による表現、文学作品の創作、古典文化の理解など、学習目的に応じた科目の役割を明確にする。
古典では、文語文法や現代語訳に偏らず、作品や言語文化の理解を深める方向が示されている。
高校数学では、現行の数学A・B・Cを一つの選択科目に統合し、生徒が進路や関心に応じて必要な内容を選択履修できるようにする案が示された。
新しい選択科目では、「場合の数と確率」「統計的な推測」「行列」「数列」「幾何ベクトル」「複素数と複素数平面」の6分野を扱う構想である。
また、必履修科目の「数学Ⅰ」には、「数学ガイダンス」と「社会を読み解く数学」を新設する案が示された。
「数学ガイダンス」では数学全体の見取り図や社会・職業との関係を学び、「社会を読み解く数学」では数列・行列・統計・確率、数理モデルなどの基本的な考え方を実社会の問題と関連付けて扱う。
これに伴い、数学Ⅰの単位数を増やす一方、数学Ⅱの標準単位数を現行の4単位から3単位相当へ減らす案も示されている。
中学校英語では、語彙数の増加や学習負担を踏まえ、使用頻度の高い重要な語彙・文法を重点的に扱う案が示された。
重要な表現を繰り返し使用し、確実に身に付けることを重視する。具体的な語彙数や文法事項の変更は、まだ決まっていない。
高校英語では、次の科目名変更が提案されている。
| 現行科目 | 次期改訂案(仮称) |
|---|---|
| 英語コミュニケーションⅠ・Ⅱ・Ⅲ | 英語コミュニケーション(総合)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ |
| 論理・表現Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ | 英語コミュニケーション(発信)Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ |
「総合」では聞く・読む・話す・書く力を総合的に育成し、「発信」ではスピーチ、ディスカッション、文章作成などを重視する。
AI翻訳などの普及を踏まえ、外国語を学ぶ意義やデジタル技術の適切な活用についても検討されている。
理科では、小学校から高校までの学習内容の系統性を重視し、基本的な概念や原理・法則を関連付けて理解する方向が示されている。
また、科学的な情報や主張について、根拠を確かめ、科学的知見に基づいて検討する力の育成も重視する。
社会科でも、社会的事象について資料を読み取り、複数の立場や根拠を踏まえて考察する学習を重視する。
いずれも、個別の知識を覚えるだけでなく、学んだ知識を関連付けて活用することを重視した見直しである。
小中学校の教育課程については、「調整授業時数制度」の創設が提案されている。
一定の条件の下で教科ごとの標準授業時数を調整し、その時間を別の教科や学校独自の学習活動などに活用できるようにする構想である。
高校では、単位制度の見直しも提案された。
現行制度では、1単位は35単位時間(1単位時間は原則50分)を標準としている。改訂案では、17単位時間を基本とする「新単位」を導入する方向が示された。
これにより、科目の内容や学校の教育課程に応じて、学習量をより柔軟に設定できるようにすることが想定されている。
現行の学習評価では、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点を用いている。
今回の改訂案では、このうち「主体的に学習に取り組む態度」の評価方法を見直す方向が示された。
従来の評価では、提出物の状況など形式的な勤勉さが重視される場合があることが課題とされている。
改訂案では、「知識・技能」「思考・判断・表現」の2観点について従来の観点別評価を行う一方、「学びに向かう力・人間性」については評価方法を変更する方向が示された。
具体的には、総合所見欄などで児童生徒のよさや成長を評価するとともに、主体的な取組が特に認められた場合には「思考・判断・表現」の評価に「○」を付記する方法が提案されている。
この見直しは、中学校の評定や高校入試で用いられる内申点にも関係する可能性がある。ただし、具体的な評定の算出方法や北海道の内申点制度の変更は決定していない。
文部科学省は、前回改訂と同様に進んだ場合の実施スケジュールとして、次の年度を示している。
| 学校段階 | 実施年度の想定 |
|---|---|
| 幼稚園 | 2028年度 |
| 小学校 | 2030年度 |
| 中学校 | 2031年度 |
| 高校 | 2032年度入学生から順次 |
→ 文部科学省「学習指導要領等の改訂に関するスケジュール(イメージ)」
この想定どおりに進んだ場合、2026年度の小学4年生が、新しい高校の学習指導要領が適用される最初の学年となる。
また、2026年度の小学1・2年生は、小学校在学中から新課程が始まり、その後の中学校・高校でも新課程で学ぶ見通しである。
小学3年生は中学2年生から、小学4年生は中学3年生から新しい中学校課程が始まる計算になる。
小学5・6年生は、高校入学時には現行課程が適用される見込みである。
ただし、これらは現時点の実施スケジュールに基づく計算であり、移行措置などの詳細は未確定である。
今回の審議まとめによって、北海道の公立高校入試の出題教科、問題形式、配点、内申点の取扱いなどが変更されたわけではない。
北海道の公立高校入試では、すでに資料の読み取り、複数の知識を組み合わせた考察、記述式の問題などが出題されている。
今後の焦点は、新しい中学校の学習内容が高校入試へいつ、どのように反映されるかである。
また、学習評価の見直しが提案されているため、中学校の評定や高校入試の内申点への影響についても確認が必要になる。
具体的な変更については、北海道教育委員会や札幌市教育委員会が公表する資料を確認する必要がある。
現時点では、今回の改訂案を理由に、通常の学習や受験対策を大きく変更する必要はない。正式な制度改正が発表されるまでは、現行の学習指導要領と入試制度に沿って学習を進めればよい。
なお、文部科学省は2026年10月6日から11月5日まで、審議まとめに関するパブリックコメントを募集している。
進学教室FiveSchools
2018年に札幌に設立され、小学5年から高校3年まで5教科指導を行う総合進学塾。教科別「クラス授業」、通い放題「FIVE学習会」、1on1「個別指導」を指導の3本柱に常に高い実績を生み出し続ける。北海道の塾ながら、Webを通じて本州、九州、四国、時に海外まで広く塾生を抱えることも特徴。
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