NANAIRO DAYS
2026.08.11
「補」「棒」「射」あたりは案外書けない人も多いでしょうが、全体的には標準レベルの出題だと思われます。
問5の記述、寺口さんのセリフ冒頭の「たしかに」の意味を勘違いした人が多いのでは。
「たしかに」を「前の市原さんへの同意」と受け取ると、「アイドルになりたい女子は減っていない」という内容を書きたくなります。
ただ、解答形式が「Aを見るとBいませんが、Cを見るとD」というように「~いませんが=逆接」が入っていることに注目しないといけません。
すると「たしかに~いませんが、……」の構文、つまり「譲歩」の形になっていることに気づけるわけです。
あとは、後ろの市原さんが、「じゃあ減っているということですね」と寺口さんに論破された形になっていることに気づけるかどうか。
以上2点のどちらかに気づければ、この問題で正解が取れるルートに入れるわけです。
なかなか難しいと思う。
出典:藤岡陽子「跳べ、暁!」
1971年京都府生まれ。同志社大学文学部卒業。報知新聞社を経て、タンザニア・ダルエスサラーム大留学。慈恵看護専門学校卒業。2006年「結い言」で第40回北日本文学賞選奨を受賞。2009年、『いつまでも白い羽根』(光文社)でデビュー。
母親を病で失い、気力を失くして会社を退職した父親と実家のある田舎へ越してきた14歳の春野暁(あかつき)。バスケットに情熱を燃やしていたものの、転校先の平川中に女子バスケット部はない。そこで暁は、学年イチの秀才で運動神経ゼロの欣子、日本に不法滞在の身でほとんど学校に来ていないタンザニア人のプミリアたちと女子バスケット部を立ち上げる。だが、暁以外は初心者でルールさえもよくわからず、練習場所にも事欠く始末。さらにそれぞれの家庭の事情にも苦しめられる。そんなとき、暁の前を華麗なフォームで長身の少女が走り抜ける。それが、暁と本田薫との出会いだった……。
登場人物が多くて整理が多少大変なのと、単純に文章ボリュームが多いのはありますが、設問がいずれも素直で、かつ文章をただ順番に前から読んでいくだけで解答根拠が得られるので、見た目のボリューム感から受ける印象に比べると短時間でクリアできるはず。
問4はアで引っ掛かる人が多いはず。頑張りをほめている部分もあるが、ネガティブな内容も当然出ているのでこれは言い過ぎ。アだと、欠点の話をこれまでしていないように読めてしまう。
出典:榎本博明「〈自分らしさ〉って何だろう?」
1955年東京都生まれ。東京大学教育心理学科卒業。東芝市場調査課勤務の後、東京都立大学大学院心理学専攻に学び、カリフォルニア大学客員研究員、大阪大学大学院助教授等を経て、MP人間科学研究所代表。
大問3とのボリューム差がものすごいですが、難易度的にはむしろこっちのほうが高いぐらいではないかと。
特に問4と問5はとてもいい問題だと思いますが、問4は設問の指示があまりに雑多で、残り時間がギリギリだった生徒は諦めてしまった人が多いはず。
ただ、こういう煩雑な設問指示から解答すべき内容を割り出していく作業は国語で上を目指すには必須スキルなので、今回の問4が時間内に終わらせられなかった人も、必ずもう一度解き直すべきだと思います。
中2国語のあまりのボリューム過多を批判気味に書きましたが、この中1道コンぐらいが40分で解ききれる限界値ぐらいなのでは、と。
ボリューム感、内容ともによく練られたいい問題だっとと思います。
村上翔平
進学教室FiveSchools代表。函館生まれ、札幌育ち、北海道大学文学部卒。18歳より進学会(北大学力増進会)にて講師を務め、卒業後ENEOS(株)を経て、2011年より現在まで代々木ゼミナール講師。2012年から2016年まで赤門会日本語学校にて日本語教師としても活動。2018年札幌に「進学教室FiveSchools」を設立し、現在も日々教室で指導にあたる。著書「やさしい中学国語」「18歳までに知っておきたい言葉1750」など多数。
お問い合わせの前に、必ず以下の「入会案内」をお読みください
24時間以内に、メールにてお返事を差し上げます