NANAIRO DAYS
2026.10.04
こんにちは、スタッフの斎藤です。
最近、生徒からこんな相談を受けました。
「力学、簡単な問題なら解けるのですが、少し難しくなると解けなくて……」
今日は力学で躓いたとある高校生のエピソードから着想を得て、物理を苦手とするあらゆる方々へ向けて、苦手解消のきっかけをつかんでもらえたらと思って記事を書きます。
最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
原因究明のため、まずはつい最近あったという定期試験の問題用紙を見せてもらいました。
そこには試験中の計算の跡がたくさん残されています。
一目であることに気づきました。
絵(図)がないのです。
そこで生徒に聞いてみました。
「問題を解くとき、物体の運動をイメージ出来ている?」
答えはNoでした。
簡単な問題であれば公式に数値を当てはめるだけで解けますが、物体の運動がイメージ出来ていなければ、
どの数値(文字)をどの公式にあてはめればいいのか?
与えられた数値(文字)のプラスマイナスは?
などなど、どんどんわけが分からなくなってしまいます。
それを解決するために必要なのが、絵を描くことです。
例を示しましょう。
問題:重力加速度をgとする。地面から物体を初速v0で角度θの方向に投げた場合、
この問題を解くとき、私ならまず問題文を読みつつ、こんな絵を描くところから始めます。

(あくまで問題を解くための手描きの図ですので、精度についてはご容赦願います。)
この絵を描くときのポイントは次の通りです。
まずは自分でどちら向きをプラスにするのかを決めて書き込みましょう。
この問題の場合、初速v0と投げた向きθの情報を書き込みます。
斜めの運動なので、この時点でv0をx軸方向とy軸方向に分解してしまうと後々楽でしょう。
この物体は放物線を描くだろうな…とイメージしてだいたいの軌跡を描いてみる
最高到達点に達するとはどういう条件か?…vy=0のときですね。
慣れてくれば1分もかからずに描けるようになるのではないでしょうか。
ここからどの公式を使おうか? と考え始めます。
公式に当てはめるまで長い道のりに見えるかもしれません。
しかし、ここまで絵ができていれば、与えられた条件や求めなければいけない条件、気づかなければいけない条件は一目瞭然です。どの公式を使えばいいかもわかりやすい。軸も定めてあるので、その向きに従順に文字のプラスマイナスを考えて代入すればいい。
(この問題では、加速度に「-g」を代入することになりますね。)
ほんの少しの時間、絵を描くだけで問題が圧倒的に解きやすくなるのです。もちろんミスにも気づきやすくなります。
私はこの習慣を、高校の先生に叩き込まれました。
どんな簡単な問題でも、必ず絵を描くようにと。
物理は、どんなに難しい問題でも、分解していけば知っている問題と同じ形にたどり着きます。高校の先生は、これを「物理は究極のパターン化だ」と表現しました。
「物体の運動を、絵を描きながらイメージすることで、条件を整理していくこと」こそが、あらゆる力学の問題を解く第一歩だと思います。
この記事が、物理に困った誰かの参考になれば嬉しいです。
それでは、また。
斎藤あかり
札幌市出身、札幌西小学校、伏見中学校、札幌北高校、北海道大学工学部卒業、北海道大学大学院工学院在学中。大学入学後2022年よりFIVE学習会講師、2025年副主任(現職)。
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