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個別指導の教室から③ 第1段落でわかる評論読解のエラー

短期集中連載「個別指導の教室から」の第3回です。
今回からは具体的な中身に入ります。

1on1個別指導に申し込まれる生徒さんの基本7~8割方は、「評論読解」ができないという悩みを抱えておられるケースです。
(2~3割は「小論文」あるいは「志望理由書」です)

大学入試国語をある程度把握されている方であれば常識なのですが、小中学校と比べると明らかに「小説」の優先順位が下がります。
共通テストこそ評論と小説が50:50で出題されるものの、たとえば北大でも小説は出ませんし、東大など一部を除いて他の国立大、私立大もだいたいそうです。
私立はもっと「評論重視、小説軽視」の度合が強いかもしれません。
一般入試で(共テを受けずに)私立専願で大学入試を迎えると、もしかすると一度も小説の問題を解かずに入試を終えるほうがむしろマジョリティかもしれないです。

それがなぜかはさておき、少なくとも中学まで「小説を得点源として国語をどうにかしてきた生徒」は、もう大学入試ではほぼ詰んだ状態になってしまうわけです。
で、高校生になって当塾に「評論をどうにかしたい……」といって入塾する、というのが毎年必ず複数いただくお問い合わせ内容なのです。

で、そういう評論に強い苦手意識を持つ生徒さんの様子を個別で見ていると、いろいろな共通性があることが見えてきます。
そんな共通性を1つずつ取り上げてここで記すことで、何かしらの改善のヒントになればいいな、と思っている次第です。

評論読解は、著者へのインタビューである。

わたしの授業を受けた人は、必ずこのフレーズを耳にしていますね。
5年前ぐらいに思いついてから、とても読解の本質を突いたいいフレーズだな、と思って毎年授業で伝えている言葉です。

つまり、筆者がしゃべった内容を「かみくだいて」「専門知識のない一般読者でもわかるように」「かつ筆者の意図とズレがないように」翻訳することが入試における評論読解の本質なのだ、ということです。

評論ができない生徒のほとんどは、「1段落の内容を説明してみて」とわたしに言われると、ただ本文にある言葉を「棒読み」して終わります。
こんなものは到底「読んだ」とは言えず、ただ文字をなぞっただけなのはわかりますよね。

だから、そんな生徒には、
「できるだけ本文の言葉を使わずに言ってみて」
「中学生(小学生)の弟や妹にでもわかるように言い換えてみて」
「本文に書かれていない、かつ本文の内容に合う例を自分で考えてみて」

というように、自分の言葉で、1文1文内容を変えずに置き換える訓練を必ずやってもらいます。

最初のうちは、これが本当にできない。
自分の言葉で言い換えられないということは、自分はその箇所を理解できていないのだと考えるべきです。
(この観点を持てば、独学で勉強を進める場合でもスムーズに進めやすくなります)

わたしの個別指導は、最初の60分間でたった1段落で終わることも多々あります。
でも、それでいいのです。
というか、そうあるべきだからそうしているのです。

10段落、12段落ある文章を適当に流し読みして、なんとなく適当に答えを言って「当たった」とか「外れた」と喜んだり落ち込んだりして、先生が一方的に行う模範解答ありきの解説をわかったフリしてうなづいて、授業アンケートに「わかりやすかったです」とアリバイ的に書くだけの授業など、金と時間の無駄以外の何物でもないとわたしには思えます。

そんな無意味な授業を100回やるより、たった1段落を血肉になるまで噛み砕き、納得し、自分の言葉で説明できるようになる。
その重要性と、理解できたときの嬉しさがわかったときから、一気に国語力は上がり始めるのだとわたしは信じていますし、実際にそのようなプロセスで大幅に成績が伸びた例を何度も見てきたわけです。

そう考えると、ふだんわたしが道コンレビューで「ナンチャッテ記述問題」を批判している意味を理解していただけますでしょうか。

「傍線部の近くにある言葉を適当に抜き出して、ツギハギして繋げれば正解」

こういう「コピペ国語」を繰り返していると、「国語とは意味を理解しないまま『それっぽい箇所』を抜き出してくるものなのだ」という誤解が体に染み付いてしまいます。
こういう誤った国語の学習を積ませることが、よりレベルが上がった大学受験以降の国語(もっと言えば大学入学後の学習や研究)を阻害する要因になっているのは明白だと思えます。

本日はここまでです。
次回はどうしましょうか、記述問題を「書く」ということについて少し語ってみようかな、と思います。

村上翔平

進学教室FiveSchools代表。函館生まれ、札幌育ち、北海道大学文学部卒。18歳より進学会(北大学力増進会)にて講師を務め、卒業後ENEOS(株)を経て、2011年より現在まで代々木ゼミナール講師。2012年から2016年まで赤門会日本語学校にて日本語教師としても活動。2018年札幌に「進学教室FiveSchools」を設立し、現在も日々教室で指導にあたる。著書「やさしい中学国語」「18歳までに知っておきたい言葉1750」など多数。

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