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2025.07.28
FiveSchoolsがどのような授業をしているのか、村上がどのように授業準備をしているのかを少しずつ整理して語っていくのも悪くないかな、と思いまして。
まず、去年あたりから力を入れて整備しはじめた「小学国語」について話をしてみましょう。
(中学国語Primeクラスも基本的にまったく同じ考え方で授業を作っています)
文章読解というのは、わたしは18歳でこの業界に入って以来、ずっと「方法論」を磨いて、それを生徒に伝えることは最優先にして生きてきましたし、今も基本はそうです。
文章というものは「正しい読み方」「あるべき解き方」というものがあって(あると想定して)、そのフォームをより合理的なものにすること。
そして、そのフォームが身につくことがすなわち成績アップへの道である。
このように考えて自分の授業を磨いてきた。
まぁ、その結果実績出してきましたし、参考書まで出してしまいました。
それなりに成果を出せてきたと自分では思っています。
しかしですね、やはり「方法論」主体の授業って、ボキャブラリーを一定水準以上持っている、いわゆる「もともとある程度素養のある」生徒には効果が出ても、それ以前の段階の生徒にはほぼ響かないというのも現実です。
わたしが授業してもほとんど成果が出ない生徒、というのも事実として一定の割合では出てしまう。
(その割合は相当少ないほうだとは思いますが)
この理想と現実のギャップというものに、多くの国語科講師は悩んでいるはずです。
いや、悩んでいない人はたぶんひとりもいないのではないか、と思うぐらい。
今述べた「方法論」主体の授業というのは、要するに自分が高校時代に成績を急激に伸ばしたやり方なんです。
わたしは3歳でひらがなカタカナ全部書けましたし、自分の名前、両親、祖父母の名前、住所ぐらいはもう全部漢字で書いていました。小学校に上がるころにはローマ字全部書けましたし、新聞も毎日読んでいた。そういう子どもだったんですね。
だけど、中学に上がってみると、国語の定期テストはだいたい80点ぐらい、学テABCとか入試でも50点(60点満点時代)行けばいいほうだったと思います。
高1になって最初のスタディーサポート的なやつで、国語の偏差値は55ぐらいでした。
ところが、いろいろと参考書なり予備校の授業で「国語の方法論」「正しい解き方」的なものを学んでみると、次の進研模試では偏差値74に跳ね上がった。
この成功体験が、「方法論」を追求しようとするわたしの熱意の原点にあるのは間違いありません。
あれだけ本を読んでも全く上がらなかった国語のスコアが、ちょっと「方法論」を勉強しただけでこれだけ上がる。
予備校というのはすごい、と。
もっとすごい「方法論」は作れないか、そうすればもっと多くの生徒を救える、と。そう思ってこれまでやってきた。
もちろん、これも一面の真実です。
「予備校の国語の授業」がなければ、たぶん最後までわたしの国語偏差値は上がらなかったわけですから、すごいのは確かです。
だけど、それって、要するに幼稚園のときから新聞を平気で読んでいたボキャブラリーの蓄積があればこそ為せる業なんですよ。
「本は読んだことロクにありません」
「新聞なんて天気予報とテレビ欄しか見ません」
という生徒に「方法論」を教えたところで、それ以前のベースが何もない状態なわけですから、成果など出るわけがない。
でも、自分の成績を上げてくれた「予備校の授業のすごさ」は認知できても、その前提となる十数年の読書、言語活動の積み重ねというのは自覚しようと思ってもなかなかできるものじゃないんですね。
多くの生徒もきっとそうでしょう。
だから、一般的に塾や予備校で授業を「売る」ための商品として捉えるなら、
「イッパツで成績が上がるすごい授業」
という期待を持たせることで売り出そうとするわけです。
それは商売として当然ですし、実際それで上がる層もいっぱいいるわけですから別に悪いと言い切れるものではない。
(日々の積み重ねなんて不必要なんだ、と生徒に誤認させる宣伝方法は業界のモラルとして滅すべきだとは思っていますが)
だけど、その前提となる蓄積がそもそもない生徒はどうしたらいいのか。
正直、多くの予備校、多くの塾にそういう生徒さんが通っても「いいお客さん」と化してしまうだけです。
成績は上がらないけど、月謝だけ毎月運んできてくれる存在になってしまう。
でも自分で塾をやるからには、やっぱりそれを良しとしたくない自分がいるわけです。
小中学生のうちにしっかりとベーシックな素養を鍛えて、ボキャブラリー水準を十分に持った状態で全生徒を高校に送り出す。
そして高校でガンガンに「方法論」を叩き込んで、受講生全員にキッチリと満足のいく成果を出してもらう。
そういうステップを生徒に踏んでもらいたいという期待がある。
そういう思想のもとに、今のFiveSchoolsの「小学国語」あるいは「中学国語Prime」クラスは存在しています。
だから、小学国語、あるいは中学国語Primeの文章読解では
「入試問題を解くためのテクニック」
みたいなものは、一切やりません。
だから、中学受験国語をやりたいならむしろ「中学国語Su」に入ったほうがニーズに合うはずです。
やることはいたってシンプルです。
① まず、全文を黙読しながら、読めない漢字、意味のわからない言葉にマーカーを引いてもらう。
② 次に、全文を音読しながら、漢字の読み、意味のチェックを行う。派生語なども一緒に教える。
③ もう一度黙読しながら、今度は問題を解いてみる。
④ 文章内容と問題の解説
⑤ チェックテスト(漢字と語句の意味中心)
これだけです。
テクニックとか点数は一切気にせず、とにかく目の前の一文一文に向き合って、意味のわからない部分を探して、「自分はここの意味がわかっていないんだな」と自覚して、辞書を調べて、もう一度読み直して、考えて、納得して。
少なくとも小学国語の読解は、こういうシンプルな積み重ねだけで授業を構築したい。
「それじゃ、学校の授業と変わらないじゃん」
と、学生講師時代の自分であれば言ったと思います。
まぁ、たしかに変わらないのかもしれません。
ただ、一口に「学校の授業」と言っても、特に小学校の場合は国語専門じゃない先生が担当するケースの方が多いわけですからね。
正直、わたしより丁寧で質の高い読解指導ができる先生が小学校にそんなにたくさんいるとは思えないので、クオリティの面で圧倒的に勝ってさえいれば、目指すところが一緒であったとしても(テキストの内容も違いますし)それはそれでいいじゃないかと開き直ることにしました。
そもそも、過去いろんな生徒と出会ってきて、学校でどのような授業が為されているかをアレコレと耳にすると……
わたしが言うような「ベーシックな素養」を鍛える授業が本当に今の小学校で為されているのだろうか?
という疑問もぬぐい去れませんし。
もちろん先生によって相当な差があるのは理解していますが。
ということで、こんな感じでFiveschoolsの小学国語は展開されているというご紹介を続けてきましたが、いかがでしたでしょうか。
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