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テストレビュー

2025年8月 中2道コン英語レビュー

大問1(リスニング)

問1
No.1とNo.2は、必要となる情報が整理された状態で出てくるので、情報量の多さのわりには解きやすい。
No.3は何のヒネリもない道案内。
いずれもイージーで、ここは上位校志望者は満点必須です。

問2
No.2が、Whyで質問しているのにBecauseが出てこないので、パターンマッチングばかりしている生徒は戸惑うかも。
いずれも難易度は高くないと思います。

問4
問題はおもしろいと思うんです。
「明日雨が降って、家の中でヒマな時間があったら、あなたは何をしますか」
「明日=未来形を使え」「家の中でできること」「ヒマつぶしにいいこと」
の3つが条件で、これに当てはまるような内容を考えろ、ということです。

ただし、問題がこれだけ工夫した設定なのに、採点基準がその工夫を理解していない。
問題作った人と基準作った人、絶対違う人間だと思います。
この問題を作った人間がこんな基準を作るわけがない。
(もし同じだったら逆に驚きです。あなたは何のためにこの問題設定にしたんだ、と問い詰めたい)

もちろん「willがないと減点」「be going toやwant toでも許容」みたいな誰でもわかる基準は書いてますよ。そんなのは「文法的なミスは1つマイナス2点」に決まってるんですから、書かなくてもわかる。

今回の採点で、採点者が判断に迷うのは
「家の中で普通やらないであろう内容」
「ヒマつぶしにやることではない内容」
こういった「内容的に」微妙な答案をどう採点すべきか、です。
にもかかわらず、書かれた内容についてフォローする採点例がひとつも記載されていない。

I will finish my homework by the day after tomorrow.
という答案は◎にすべきでしょうか?
(ヒマがなくてもやらなくてはいけない内容なので減点すべきか? そんな細かいことは気にせず◎にしていいか?)

I will practice baseball in my garden.
はどうでしょうか?
(家の庭だから、濡れてもすぐ風呂入ればいいので許容するか? 雨でやるべきことではないので✕か? △にすべきか?)

そもそも、
I will play baseball in the park.
ような答案に対するフォローが何もないことが論外だと思います。
「家の中」という条件に違反しているので✕なのか、それとも中間点ですませてあげるべきなのか、その判断ができない基準に何の意味があるのでしょう。
形式面、文法面ばかりにとらわれて、実際の上位高入試で重視されるはずの「内容面」に対して何も考えないまま機械的な基準を作ってしまっている。

あと、「I would like watch movies」を✕にするのは道コン採点の原則に合わないのでは。
これは「would like toの、toのヌケ」と考えるべきで、文法のヌケ1つでマイナス2点、合計3点をつけるべき、そうでないと過去の問題との整合性が取れないのではないかと。

大問2(読解)

どう考えても中学生がブログに投稿する内容じゃないと思いますが、なんとなく「最近の流行を追いかけてます感」を出すためにLINE、ブログのようなシチューションにするのはわたしは好きではない。
これなら「母の日の発表作文」のほうがよほど自然じゃないですか。
まぁ公立高校入試がやりそうな感じですから、道コンのせいではないですが。

というか、ここで自分で書いておいてアレですが、「ブログ」という形式じたいがもうわりと古いものになっている感もありますし。
若者の流行に合わせようとして頑張ったおっさんが、若者に「それ私たちが幼稚園のときの流行ですけど……」と突っ込まれているような感じがしてしまいます。

問2
この「to my mother」のように副詞句、副詞節が入った並び換え問題はモヤモヤすることが多く、I don’t say to my mother anythingのように副詞句、副詞節を倒置的に前に出したとしても、完全にバツとまで言えないような気もしてしまうのです。普通そんな言い方するか、と言われたらしないでしょうが。

問3
前置詞のlikeは、最近の道コンでは頻出中の頻出です。
中2の夏だとまだモノにしていない生徒が多そう。

問4
完全に文脈依存の、話の流れを読み取れているかどうかの問題で、英語というよりはむしろ国語力を問う問題と言えます。

問6(2)
「~がある」という意味でhaveを使うのも、教科書改訂されてから出題率が俄然上がりましたね。

これで、翌朝母ちゃんがキレていておにぎり作ってくれなくなっていたら展開としては面白いのですが。

大問3(対話)

「最近の流行を追いかけてます感」を出すためにLINE、ブログのようなシチューションにするのはわたしは好きではない、と大問2で言ったら、今度はLINEあるいはショートメッセージのやり取りです。
こんな長文でダラダラメッセージ交換する人間いないと思います。

問3
これもまた、採点基準が不明瞭でよくない。
リスニングもそうでしたが、「生徒が実際に書いてくる答案」に対する想定が甘い。

「クリスマス」に触れずに、
「オーストラリアと日本では季節が夏と冬で逆であること」
のように抽象化した答案をなぜ想定しないのか。
この答案は◎にすべき? ✕? 中間点を与える? その根拠・理由は?
これを示せない採点基準に何の意味があるのでしょう(2回目)。
「そんな採点例は書かなくても誰でも判断できるよ」というどうでもいい例を並べるのではなく、こういう採点者が本当に判断に困るであろう答案を想定して、そこに判断の基準と合理性のある根拠を与えてほしいんですよね。
そうしないと、道コン運営サイドもいろんな塾から問い合わせだのクレームだの来まくって大変だと思いますし……

直後でMarikoがサンタの話をしていますし、問7でも「クリスマスの話が興味深かった」と言ってはいるので、一般的には「クリスマス」にフォーカスした答案を書くほうがいいのでしょうが、Marikoがこの下線部③の時点で「あくまでサンタの話はひとつの具体例で、フォーカスすべきポイントは季節の違い」と考えている可能性も否定できません。
基本的には「夏と冬が反対であること」という答えも、この本文内容だと許容せざるを得ないのでは。
「オーストラリアと日本では季節が違うこと」を完全な✕、0点とする採点基準もちょっとどうかなぁ、と。◎にすべきでもないですが、5点全部マイナスされるような答案ではないと思う。

問4
meet、ダメですかね??
ちょっとレトリカルな言い方だと考えれば、何の問題もないと思うのですが。

内容的にはそれほど難しいものではなく、標準的なレベルの範囲かと思います。
問3も、クリスマスにフォーカスを当てた答案を書く生徒のほうが多数派だと思いますし。

大問4(文法、単語)

A、C
教科書が違うので何とも言えませんが、問1がすごいですね。Aはgo through、in needという、明らかに従来の中学英語のレベルを超えた高校レベルの表現がサラッと登場する。
Cのtake placeもgo throughほどではないですが、従来だとやはり高校英語の範疇です。
これ、AやCを選ぶ教科書の生徒はサラッと解けるものなのでしょうか??
わたしも、特にgo throughは高校英語教えていなかったら解けなかったと思いますよ。


問2、採点基準に「Don’t~」の文をどう採点するのか記載が一切ないのが信じられない。
少し考えたら「Don’t~」で答える生徒がいっぱい出そうだな、ってわかるじゃないですか普通。
すべてを「模範解答ありき」で考えすぎで、発想に柔軟性が足りないのです。

大問4が明らかにいつもより難しいと思いますが、全体的には標準レベルの範囲におさまるのでは。
問題は(わたしの好みでないスタイルは多いですが)ぜんぜんおかしなところのないものだと思います。
これまでのレビューを全体的に振り返っても、問題については(中1国語の駄文については一旦置いておくとして)どれも良い質を保っていると思います。

ただ、とにもかくにも中2英国の採点基準クオリティが低い。
プラス、わたしはまだ詳細に問題を見ていませんが、スタッフから「中3理科の基準を見ても判断が全くつかない、採点できない」と泣きつかれた経緯もあります。
採点基準の作成、クオリティチェック体制についてちょっとこの先見直してほしいな、と思います。

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