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代表・村上翔平

学校国語文法と日本語学校文法②

前回の続きです。

・終止形、連体形 → 辞書形(普通形)

今度は逆に、中学校文法では2つに分かれていた「終止形」「連体形」が、どちらも「辞書形」という形に統合されてしまいます。
「終止形」というのは文末にくる形で、「連体形」というのは名詞の直前につく形です。

これはどういうわけかというと、古文では

上二段動詞……「朝に起く。」「朝に起くる人」
下二段動詞……「土に埋む。」「土に埋むる人」
カ変動詞……「早く。」「早く来る人」
サ変動詞……「説明。」「説明する人」
ナ変動詞……「死ぬ。」「死ぬる人」

のように、文が終わるときと、名詞の前につくときで形が違うことが多々あったのですよね。

ところが、現代になると全部

「朝に起きる。」「朝に起きる人」
「土に埋める。」「土に埋める人」
「早く来る。」「早く来る人」
「説明する。」「説明する人」
死ぬ。」「死ぬ人」

と一本化してしまった。
となると、前回同様「古典文法」を習わない人間にとってわざわざこれを分離して覚えるメリットがないので、じゃあ最初から一本化してしまえ、ということになります。

「辞書に載っている形」だから「辞書形」ということが一般的だと思いますが、「丁寧形」ではない=「普通形」という名称もわりと使うことがあった気がします。

あ、ちなみに現代語でも「終止形」と「連体形」が分離しているケースがあります。

それは「形容動詞」です。「きれいだ、愚かだ、静かだ」みたいな言葉ですね。
これは終止形だと「きれい。愚か。静か。」ですが、連体形だと「きれい人、愚か人、静か人」となりますよね。

ただし、あくまでこれは「動詞」ではなく「形容動詞」なので、今話をしている「動詞の活用形」のカテゴリーから外れますので、やはり「終止形」「連体形」という分け方をする必要性は日本語学校文法の体系の中では存在しない、という判断になるわけです。

(つづく)

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