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2024.10.27
出典:立原道造「ひとり林に……」
1914年7月30日、東京市日本橋区橘町に生まれる。昭和初期に活躍し、24歳8か月で急逝した日本の詩人。一高在学中に三中の先輩でもある堀辰雄を知り、また室生犀星に師事。建築家としての足跡も残した。東京帝国大学工学部建築学科卒業、詩作では1938年に中原中也賞を受賞。
1938年8月、肺尖カタルのため休職し、1939年3月29日、病状急変し永眠。享年26歳(満24歳8か月)。
出典:萩原昌好「日本語を味わう名詩入門」
1939年神奈川県に生まれる。東京教育大学、同大学院を卒業後、埼玉大学教授、十文字女子大学教授を経て、現在に至る。
去年に引き続いて2年連続で萩原昌好さんの文章です。
ちなみにその前が吉野弘、その前がまた萩原昌好、その前はまた吉野弘、ちょっといくらなんでもこの2人に頼りすぎでは……。
問題はこれと言って普通だと思いますが、問4を「かたく脈打つひびき」を書いたらマルもらえるのでしょうか?
うちの生徒で「かたく脈打つひびき」と書いた生徒がいなかったのでわからないですが。
出典:瀬尾まいこ「夏の体温」
1974年大阪府生まれ。大谷女子大学国文科卒業。2001年『卵の緒』で坊っちゃん文学賞大賞を受賞しデビュー。2005年『幸福な食卓』で第26回吉川英治文学新人賞、2008年『戸村飯店 青春100連発』で第24回坪田譲治文学賞、2013年に第31回咲くやこの花賞 文芸・その他部門を受賞。
「病気の子ども」という設定だけでちょっと悲しくなりますね。
リード文「壮太が先に退院」が死亡フラグかと思ったのですが、そういう展開にならなくてよかったです。ただ、この続きはどうなることか……。
問1
「あれ以上言葉~」と「もう一度、言葉~」のどちらでもいいだろ、と思ったらやっぱり学校でもどちらでもOKという採点になったようですね。
(どっちかじゃないとダメ、という学校もあるかもしれません)
書き抜き問題にせず普通の記述にすれば済むだけなのに、なんでわざわざ複数の解答可能性が出る問題形式にしてしまうのでしょうか。ちゃんと隅々までチェックしないなら、抜き出し問題は作っちゃダメなんですよ。
問3
これも「苦しい治療を受けている子」はマルになったんですかね?
(これは学校でどのように扱われたのか情報がありません)
ひとつの大問の中に「答えが2つある問題」が2つも出てくる国語のテストなど、全国どこを探しても学テABCだけではないでしょうか。
たまにミスがあるのは人間のやることなので仕方ないのですが、学テABCは「ミスを減らそう」という意欲すらないように感じてしまいます。
問4
これも、問題文がかなりわかりにくいです。「2文で連続して述べた部分」を「2つ探し」なので合計4文見つけてくるという問題です。「2文で連続して述べた部分」が1か所しかないのか、2か所あるのか把握できなかった生徒が続出していることでしょう。
(まぁこれは本文と照合すればわかるので、問1とか問3とは違って読み取れなかった生徒のほうにも問題はあります)
問5
「なぜ紙飛行機を作ったのか」をどこまで詳細に説明すればいいか、判断に困る問題。全部説明し尽くそうとすると字数が足りない。
出典:清少納言「枕草子」
平安時代中期の女房、作家、歌人。随筆『枕草子』は平安文学の代表作の一つ。歌人としては中古三十六歌仙、そして女房三十六歌仙の一人でもある。正確な生没年や本名は不明である。
全訳
とたんに幻滅してしまうものは、男も女も、言葉遣いを下品に遣っていることが、何事にもまして、良くないことだ。ただ文字一つで、不思議なことに、上品にも下品にもなるのは、どういうことなのだろうか。
とはいえ、このように考えている人(=自分)も、特に(言葉遣いが)優れているというわけではないだろうよ。どういうもの(言葉遣い)が良い、悪いと判断できるだろうか(、いや判断を明確にすることなどできない)。しかし、他人がどう思うかは知らないが、私にはそのように(=言葉遣いが下品なのは嫌で、文字ひとつで上品にも下品にもなる)思えるのである。
問題を解くだけなら関係ないのですが、後半の意味が理解しにくかったことでしょう。
直訳しただけでは何を言ってるのか全然わからない。
「結局何が言いたいのか」をその前段の文脈をふまえて常時考えていく姿勢が大切です。
(まぁ今回の問題に関しては飛ばしてしまっても正解は出るのですが)
出典:広瀬友紀「子どもに学ぶ言葉の認知科学」
大阪府出身。東京大学総合文化研究科教授。専門は心理言語学、とくに言語処理。著作に『ちいさい言語学者の冒険』(岩波科学ライブラリー)がある。近年は、言語発達過程の子供がどのようにその知識を運用するかに関心を寄せている。まだまだ続く息子の珍プレーに、喜ぶ日々。
問2
わたしもそうですけど、多くの生徒も「自然に日本語を身に付ける」というその具体的な過程が後半にあって、その過程が正解になると思ったのでは。
ところが、探せど探せどその内容が10字程度で抜き出せる箇所などなく、じゃあ「自然に日本語を身に付ける」を答えにするしかないか……と。
ダメな問題とは言いませんが、苦労して探して「え、結局そこ?」という徒労感を生むだけだったような。
問3
こんなもの、答えは「いいえ」だけで事足りるんですよ。
なぜ、こんな単純な問題を「45字ちょうどの抜き出し」にして、文字を数えさせる手間を生徒にかけさせる必要があるのか。ただ無駄に、何の意味もなく時間を浪費させるためだけの問題でわたしはこういうのが嫌いです。
あとの問題は特に問題のない普通の問題かと思います。
全体としては非常に容易なレベルの問題だと思いますが、ところどころ作問のクオリティの低さを感じさせるところがどうしても気になってしまいます。
では、明日は英語です。
鷹取先生のブログで大変気になることを書かれていますが、わたしが見てみた結果どのような感想を抱いたのでしょうか。
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