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テストレビュー

2025年11月 中3道コン国語レビュー

大問1(漢字、短歌、知識、漢文)

問2
「そむける」は、字じたいは難しくないけど、実はパッと書けと言われると書けない人多いはず。

問3
助動詞と助詞は、実はかなり見分けるのが難しい。

「活用がある/ない」がたしかに原則ではあるのですが、「う」みたいに変化しないものもあるので、究極的には「どれが助動詞で、どれが助詞かをいちいち覚えるしかない」と言ってもよいところです。

今回の「た」についても「たら」「たろ」に活用するといえばもちろんするのです。
ただ、じゃあ「食べましたろう」という日本語を実際に使うかといえば使わないですよね。
「食べましたら」であれば使用することもあるでしょうが、この「たら」を「た」が活用したものととらえるべきか、あるいは「仮定を表す『たら』という助詞がある」と考えるかは非常に微妙なラインで、「見分け方」の道具として使うのは無理があるレベルです。
(日本語教育では「たら」を一つの助詞のように独立させて教えるのが一般的です)
現実的には「過去」をあらわす「た」は助動詞と暗記しておくのが一番良いでしょう。

問6
(3)「直喩=ような」としか理解していない生徒にはできない問題。
「直喩」と「隠喩」の違いは、「それが比喩であるとわかる書き方をしているかどうか」です。
「比喩だとハッキリわかる言い方」であれば、「ような」だろうが「ごとく」だろうが「似ている」だろうが全部「直喩」。
「雪に似ている」ということは「本当は雪ではない」と言っているのと同じことです。

あと、漢文に慣れている人は「対句」であることから判断できた人もいるかもしれないですね。
明らかに第1句と第2句が対句になっているので、「霜のごとし」と対応関係にある「雪に似たり」が答えであると推察できます。

(4)「何を聞いて、どのような気持ちになったのか」という設問条件から答えは容易にわかるのですが、ただ「誰が笛を吹いているのか」「なぜ笛の音を聞くと故郷がなつかしいのか」が注釈を見てもよくわからないところがスッキリしない問題。

問2、問3(知らない人にとっては)、問4、問6(3)がわりと間違えやすく、知識レベルの要求が高い、比較的厳しいレベルの大問1だと感じます。

大問2(評論)

出典:野内良三「無常と偶然」
1944年東京に生まれる。東京教育大学文学部仏文科卒。同大学院文学研究科博士課程中退。静岡女子大学助教授、高知大学教授、関西外国語大学教授。

高校入試とは思えないボリューム感ですが、文章の内容としては昔ながらの東洋・西洋比較文化論。
「水の東西」「ミロのヴィーナス」のような文章、と言えば保護者世代には通じやすいでしょうか。

問3
この傍線4は、ウ、オで区別つけるのはかなり難しいです。
なにせ直前に書かれているのが「月影」なので、おそらく8割9割近い生徒がオを選んで間違えたのでは。完全解答ですし、かなり正答率低いと思いますよ。

では、なぜこの問題がオが✕で、ウが正解になるのか。
解説があまり親切とは言えないので、わたしなりの見方で噛み砕いてみましょう。

直前からの流れだけを見て傍線部を解釈すれば、「(空に見えている)月の形」が変化したとも受け取れるのはわかりますよね。
ただ、月のポジションが日々刻々と変化していくわけですから、当然「月影」の姿も日々刻々と変化していく、と考えることもできます。
太陰暦1日、7日、15日、22日にできる「月影」を、それぞれ同じ時刻(PM24時とか)に定点観察し続けるとその姿が変わるのは、中3理科で勉強するとおりです。
1日だとそもそも月影ができませんし、15日だと南の方向に満月があるわけですから、大きな月影ができる。季節によって南中高度が変わる話も理科で勉強します。
であれば、この傍線4を「月影」だと解釈してもいいだろう、答えがオで何が悪いんだ、と思うのも無理はないわけです。

ただ、やはりわたしとしては答えはウのほうが適切で、オではないと思う。

なぜかというと、この「段落全体のテーマ」が何なのかを考えてみてください。
あくまでもこの段落全体で話をしているテーマは「月影」ではなく「月」の美しさなんですよ。
「月影」は、あくまでのその「日本人が感じる月の魅力」を示すひとつの具体例にすぎません。
よって、傍線4を「月影」だと解釈してしまうと、この段落で「月影」の話しかしていないことになり、「月影」がテーマであるかのように読めてしまう。となると、段落ラストにある「美的対象として月に関心を示した」につながりにくくなるわけです。
と考えると、ここの答えは確かにオではなくウであるべきだろう、というのがわたしの結論です。

ただ、かなり意地が悪い問題。
(出題者はどこまで考えてこの問題を作ったのだろうか……)
これを完全解答で問うてくるのは厳しいな、とは思いますが、まぁこういうこともありますよ。

問4
「どのようなデータとして役立ったのか」という質問です。
「なぜ東西でスタンスが違うのか」とは聞いていないので、質問とズレた答えをしていないかどうかがポイント。

長いですが、問題の難易度は問3を除けば解きやすいものが多いかと思います。
長さにビビらず、スピーディに主旨を把握し、質問で問われているとおりに答える。
シンプルに取り組んでいきましょう。

大問3(対話)

問1
「お伺いしたい」を二重敬語であるとして△扱いしていますが、まぁたしかに二重敬語といえば二重敬語ではあるものの、「一般に定着しているものであり許容される」というのが通常の解釈かと思います。減点すべきものでは本来ない。

「お聞きいたしたい」も同じく△になっていますが(まぁ「お聞きいたしたい」と書く中学生はそうそういないでしょうが)、これも「いたす」は謙譲語1ではなくて謙譲語2(丁重語)であるため、これを二重敬語とは通常言いません。
これが△だと言うなら、世の中にある「お~いたします」という表現がすべて間違った日本語だと言うのでしょうか。出題者の敬語についての理解が明らかに甘いです。

問2
普通は大問1で出す問題を、無理やり記述にした感じ。
別にダメだと言わないけど、ふつうに「書き換え」で出せばいいんじゃないの、という感はあります。
なんでもかんでも記述にすればいいというものではない。

大問4(資料、発表、俳句)

毎回毎回「似たような資料ばかり読ませて何がしたいんだよ」と思わざるを得ない昨今の高校入試(or道コン)ですが、この資料は題材としては面白いですね。ただ、問題は基本的な俳句の知識がメインで、わざわざ資料問題の体裁で出す必然性をあまり感じないのがやや残念。

問2
大問3の問2と同工異曲の問題で、同じような問題を2回出すこともないと思います。

問3
「天高し」を季語だと答えろ、という問題で完全解答はちょっと厳しいレベル。
やたら完全解答にしたがるところとか、同じような問題を2回出したがるところとか、悪い意味で学テABCっぽいなぁ、今回の道コン。
学テC対策であるはずの10月道コンよりも学テっぽい。
(文章のボリュームは全然違いますが)

うーん、どうでしょう。
敬語の採点基準チョンボも含め、ちょっと粗が目立つ作りだなぁと感じます。
きわめて点数取りにくい問題もいくつかありますが、点数取りやすい問題も散在しているので、「標準~やや難」ぐらいにおさまるのかな、と。
ものすごく高得点も取りにくいけど、そこまで低くもならない、まぁまぁの点数に集中しやすいテストではないでしょうか。

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