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2025.11.15
新谷です。
好きな芸術家とその作品の紹介第4弾になります。
今回は日本の版画家になります。
大正、昭和期の浮世絵師、版画家。
衰退した日本の浮世絵版画を復興すべく、新しい浮世絵版画である新版画を確立した人物として知られています。
そう言われている通り、実際に作品を見てみると現代の作家の作品なのかと思うぐらい、構図、色彩、線がスタイリッシュに描かれています。
「東京十二題」より『深川上の橋』 (大正9年)
川の水面に反射する橋の柱が美しく、橋の下から見える船によって場面が引き締まっています。
私は円水の作品では海や川などの水を描いたものが特に好きです。どれも水面の表現がとても綺麗。
「旅みやげ第二集」より『大阪 道とん掘の朝』(大正10年)
旅館の部屋から見た景色でしょうか?
絵にもかかわらず朝日の眩しさに目を細めたくなります。
木版画「日光街道」 (昭和5年)
大きな杉並木でできた陰と木漏れ日のはっきりとした明暗によりその日の快晴具合が感じられ、木陰のひんやりとした空気と日差しの暖かさまで伝わってきそうです。
先程円水の作品は水を描いたものが特に好きだと言いましたが、水だけでなく光の表現も美しいですね。
「東京二十景」より 『芝 増上寺』 (大正14年)
風が吹いて屋根に積もった雪がさらさらとこぼれ落ちる描写や、建物の赤と雪の白、手前の女性の着物の黒のコントラストが美しい一枚です。
昔の芸術作品というと、どうしても古臭いイメージがあるかもしれませんが、中にはその時代で「衰退した伝統の復興」や「見る人を喜ばせること」を考えた作家によって「新しさ」を目指して作られたものもあり、作品によっては今を生きる私達が見ても新鮮に映るものなどもあります。
是非色々見てみてくださいね。
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