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2025.11.09
新谷です。
好きな芸術家とその作品の紹介第2弾になります。
前回は西洋の風景画でしたが、今回は西洋の静物画になります。
17世紀のオランダで活躍した画家です。
静物画を描いている画家はたくさんいますが、中でもデ・ヘームは豊かな色彩と精密さが際立つ静物画で知られています。
『花瓶の花』 エルミタージュ美術館
チューリップやバラなど、様々な花の色彩が黒い背景に美しく映え、花弁だけでなく葉や茎、枝豆などの緑の配置も素晴らしい作品です。
『静物』 プラド美術館
マスカットやレモン、オレンジなど黄色ベースの果物が周りに配置されている中、手前のサクランボの透き通った瑞々しい赤がとても綺麗に映ります。
デ・ヘームの絵では私は果物をモチーフとしたものが一番好きです。
同じ静物画でも線を曖昧に描く画家もいて、そういった画風ももちろん好きではあるのですが、やはり食べ物の絵であれば「美味しそう」、果物ならばそれに加えて「綺麗」と思いたいというのがあり、彼の精密な絵はいつもそれを叶えてくれます。
ちなみに、デ・ヘームの息子も同じく画家になっており、おそらく父親のもとで修行を積んでいたものと思われています。
『果物籠のある静物』国立西洋美術館
『A Garland of Fruit』ボウズ博物館蔵
見ての通り、画風が親子そっくりです。血がつながっているとはいえここまで似るのもすごいですね。
デ・ヘーム家はコルネリス以外にも静物画家を多く輩出している上に共作などもあるらしく、そのため、どの作品をどの画家が手掛けたのか特定が難しい場合があるそうです。
ただ、コルネリスの作品は比較的小さい他に、強い色調の青が特徴的で特に後年のものは父親のスタイルとは違ってきているとのこと。
実際にこうして見てみると、個人的には、青だけでなく全体的な色調も父親のものより強く感じます。
色鮮やかな果物が綺麗ですね。
いかがでしたでしょうか?
静物画は似たようなモチーフでも画家によって雰囲気が変わったりして面白いので、機会があれば他の画家のものも紹介できればと思います。
ではまた。
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