NANAIRO DAYS
2026.04.04
新刊「18歳までに知っておきたい言葉1750」では、1750語すべてに「中高生の正答率 vs 大人の正答率」を対比させて掲載していますが、この大問1の漢字でも同様の正答率を出してみたいところですね。
踏襲、据える、財源あたりは、大人なら簡単でしょうが、中学生にとってはさてどうでしょうか。
特に踏襲はかなり正答率低めに出るような気がします。
あれ、古文だけ??
知識系の問題がないのはどういうことでしょうか。
4月道コンは評論と小説を両方出すので、ボリューム調整という意味なのだろうか。
出典:浅井了意「浮世物語」
江戸時代前期の仮名草子作家、浄土真宗の僧侶。
中1国語が「寝床」「ジャズ息子」リスペクトの物語かと思ったら、中3古文は「抜け雀」感が強い。落語に縁のありそうな(偶然でしょうが)話が続きますね。
問1
初期段階では「亭主」と出ていないのですが、消去法的にすぐ答えは決まりますし、後ろを読めばちゃんと理解できます。
問2がシンプルな指示語で、問3と問4で文章全体が理解できているかどうかを試す。
これもバランスのとれた良い出題ですが、問4を書ける生徒はどの程度いるのか、ものすごく正答率の低い問題になりそう。
そもそも「旦那=見る目のある人」「絵描き=アホ」という図式からして逆にとらえる生徒のほうが多いのでは。この「経験豊富で本質のわかる旦那」「未熟な若い職人」という構図、これもまるで落語「宗珉の滝」のようです。
あと、問4は模範解答が第2段落の要点をとらえきれていないような感があります。
「本物を見ているのに、現実を認めないことの滑稽さ」
という要素が明確に入るような模範解答、出題形式に仕立てられたらさらに良かったのでは。
(中2の大問3とボリューム感だけはケチつけましたが)、全体的に見て今回の国語はどの学年もクオリティ高い。来年のテストゼミが楽しみです。
出典:川上健一「祭り囃子がきこえる」
1949年青森県十和田市生まれ。県立十和田工業高校卒業。上京後、様々な職業を経て、77年『跳べ、ジョー!B・Bの魂が見てるぞ』で第28回小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。2002年『翼はいつまでも』で第17回坪田譲治文学賞受賞。
ビビりの主人公男子と、こちらもクラスで中心的な存在にはなれない女子のふたり。
なかなかの急展開な14行目で、一気にラストまで読んでしまう。愛ですね。
いやぁ、今回の道コン、文章が全部おもしろい。
問1
「もともとは、まおちゃんのことを何とも思っていなかった」
ということが認識できているかどうか。
これも、選択問題だからこそこういう問題が作れるんですよ。これを抜き出し問題にしてしまうと何の風情も意味もなくなってしまう。
(本文から機械的に抜き出して書くだけの『ナンチャッテ記述問題』の批判は中2道コンレビューをお読みください)
問2
こういう、幅広い場所を読み込んで、端的に短い字数でまとめるのは「本来あるべき記述問題」であり「ナンチャッテ記述問題」ではありません。スタンダードな問題です。
問4
これも複数で指示語を問うのがいいですね、まぐれ当たりを排除し、ちゃんと読めている人だけが正解できるのは良い問題です。
問5
例によって指定語句が若干うっとうしいですが、まぁこれは北海道公立高校入試に合わせているだけなので仕方ない。内容としては問2と同様スタンダードなものだと思います。
難易度はさほど高くないと思いますが、各所に工夫が凝らされていて、王道の問題は王道で出題してくる、バランスのよい良問だと思います。
出典:土井隆義「キャラ化する/される子どもたち」
1960年生まれ。筑波大学大学院人文社会科学研究科教授、専攻は社会学。大阪大学大学院人間科学研究科博士課程中退。著書に『「個性」を煽られる子どもたち――親密圏の変容を考える』(岩波ブックレット,2004年)、『友だち地獄――「空気を読む」世代のサバイバル』(ちくま新書,2008年)、『<非行少年>の消滅――個性神話と少年犯罪』(信山社,2003年)、共編著に『社会構築主義のスペクトラム――パースペクティヴの現在と可能性』(ナカニシヤ出版,2001年)。
これまでの中1~中3国語、すべて出典の文章が面白く、次は何が出てくるのかと期待したら、なんと「キャラ化~」。
大学受験の現代文講師なら当然全員が知っている、2016年センター試験の名作です。
たしかにこれなら難易度さほど高くないし、道コンで出しても問題なさそう。
問2
パッと思いつきそうなものだけでも3通りの答え方があるので、どれを書くべきか迷った生徒が多いでしょう。(結果、どれでもOKという話でした)
「異質な他者を排除する手段」という答案、採点基準表でフォローされていないですが、ちゃんとマルもらえているでしょうか。
問3
若干、指示語の問題が多すぎてしつこい気はしてきました。
問4
(1)こういうのを「ナンチャッテ記述問題」と言っているわけです。
(まぁ、これは記述というかただの抜き出しですが)
何も本文内容を理解していなくても、ただ問題文と本文を照合して、丸まんま本文から抜き出すだけで答えが完成してしまう問題のことを指します。
ちょっと問3~問4が問題としてつまらないなぁ、と。
せっかく本文はかなりいいことを言っているのに。
この本文から問題を作るなら、「内なる圏外」の意味を、設問を通じて生徒に理解させていこうという姿勢がほしい。
あ、問4も(2)は悪くないと思います。
問5
中1、中2道コンは「選択問題の選択肢がすばらしい」と称賛しましたが、これはそんなに面白くない。全部本文内容とシンプルに矛盾しているだけなので、ある程度大筋さえつかめていれば秒殺できてしまう。
ただ、面白くはないですけど、悪い問題なのかと言えばそれはまた別で、「大筋がわかっている人なら秒殺できる」という意味ではこれはこれで良いと思います。
取り立ててコメントすることのない普通の問題、という感想です。
まぁこういうタイプの問題で、そんなに面白い問題を毎回作れるわけもなく、普通でいいのだと思います。
問4
アで間違えそう。
アも「意見」と言えば言えなくはないですが、あくまで「話し合いをまとめたもの」でしかないので、安田さんの独自の考え、というのはちょっと無理がある。
大問5はうまく解けば5分もあれば全部取れると思います。
ただ、大問4までで時間を使い果たして、焦りに焦った状態ではそれもうまくできません。
中3道コンは基本的に時間がタイトなので、タイムマネジメントも実力のうち、ということで時間を意識した対策を日頃から行っていく必要があります。
村上翔平
進学教室FiveSchools代表。函館生まれ、札幌育ち、北海道大学文学部卒。18歳より進学会(北大学力増進会)にて講師を務め、卒業後ENEOS(株)を経て、2011年より現在まで代々木ゼミナール講師。2012年から2016年まで赤門会日本語学校にて日本語教師としても活動。2018年札幌に「進学教室FiveSchools」を設立し、現在も日々教室で指導にあたる。著書「やさしい中学国語」「18歳までに知っておきたい言葉1750」など多数。
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